経理実務において混同しやすい「売掛金」と「未収入金」。
最大の違いは、そのお金が「本業(メインの営業活動)」から発生したものか、そうでないかという点です。
これを間違えると決算書の正確性が損なわれてしまうため、明確に使い分ける必要があります。
この記事では、違いの要点と具体的な仕訳例を解説します。
1. 売掛金と未収入金の比較まとめ
一言で言うと、「商品の売上なら売掛金、それ以外(備品売却など)なら未収入金」です。
| 項目 | 売掛金 (Accounts Receivable) | 未収入金 (Other Receivables) |
| 発生源 | 本業の営業取引(商品・サービスの販売) | 本業以外の取引(土地・建物・備品などの売却) |
| 決算書 | 流動資産 | 流動資産(※1年超の場合は「長期未収入金」) |
| 相手勘定 | 売上 | 備品、車両運搬具、土地、有価証券など |
| 別名 | ツケ、掛け売り | 未収金(みしゅうきん) |
2. 売掛金(うりかけきん)
本業の商品やサービスを販売し、代金を後払いで受け取る権利のことです。
取引の具体例
あなたは「八百屋」です。
レストランに対して、野菜(商品)10,000円分を販売し、代金は翌月末に振り込んでもらうことになった。
仕訳の具体例
① 野菜を売り上げた時(発生時)
借方(左)に「売掛金」、貸方(右)に「売上」を使います。
(借方) 売掛金 10,000 / (貸方) 売上 10,000
② 代金が入金された時(回収時)
代金が普通預金に振り込まれた場合です。
(借方) 普通預金 10,000 / (貸方) 売掛金 10,000
3. 未収入金(みしゅうにゅうきん)
本業以外のモノを売却したりして、代金を後で受け取る権利のことです。
実務では略して「未収金(みしゅうきん)」と呼ばれることも多いです。
取引の具体例
あなたは「八百屋」です。
お店で使わなくなった古い配達用トラック(帳簿価額 300,000円)を中古車業者に350,000円で売却し、代金は後日受け取ることになった。
※八百屋にとってトラックの売買は「本業」ではないため、売掛金は使いません。
仕訳の具体例
① トラックを売却した時(発生時)
借方(左)に「未収入金」を使います。貸方(右)は売上ではなく、売ったモノ(車両運搬具)と、利益が出た場合は「固定資産売却益」などを使います。
(借方) 未収入金 350,000 / (貸方) 車両運搬具 300,000
/ (貸方) 固定資産売却益 50,000
② 代金が入金された時(回収時)
(借方) 普通預金 350,000 / (貸方) 未収入金 350,000
4. 判断に迷ったときは?
迷ったときは、**「会社の定款(ていかん)に記載されている事業目的かどうか」**で判断します。
- 不動産業者が販売目的の土地を売った → 売掛金(本業だから)
- 八百屋が店舗の土地を売った → 未収入金(本業ではないから)
このように、**「誰が何を売ったか」**によって勘定科目が変わる点に注意して処理を行いましょう。
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